この記事は、都立両国中の受検を考えている保護者の方向けです。
ぜひ、参考にしてくださいね!
都立中学受検アドバイザーのケイティです。
今回は、都立両国の適性Ⅲの分析と合格ボーダーライン、
勉強スケジュールなどについてご紹介しています。
ちなみに…2021年度の、両国中の合格体験記はコチラ❕
<2021年>【両国中】受検体験記
<2021年>【都立両国】受検体験記②
<2021年>【都立両国】受検体験記③
都立両国合格の鍵は時間配分!
都立両国の適性Ⅲの試験時間は30分です。
(R4年度の募集要項では、45分になりました!おそらく、今後は45分が続くと思われます)
30分で解くと考えると、両国の問題の量は、
実は「ちょうどいい」量と言えます。
というのも…
サロンメンバーさんの得点情報を見ると、
8割、9割取れている子が続出しているんですよね。
これを見ても、試験問題に対して30分というのは妥当ではないかと思います。
でも…
合格者の中には、適Ⅲ50点という子もいましたし、
一方、満点という子もいました。
さて、どこでその差(合格者の中でも40点差!!)が生まれたのでしょうか。
両国の問題には必ず「あるもの」が仕込まれています!
実は両国には、必ず!1問は「ドロ沼問題」というのがあるんです。
時間制限内には、とても終わらなさそうな、手順の多い「時間消費系」問題のこと!
その問題に自分で気づけたかどうか、
そこが大きな点差に繋がったのだと思います。
もちろん、適Ⅲが50点だった子もいましたが、
その子は適Ⅰがすごく高得点だったので、何とかカバーできた…というところです。
もし適Ⅰが平均点より少し上くらいしか取れなかったら、適Ⅲの50点をカバーできず、おそらく厳しかったでしょう。
まずできることは、
適Ⅲの「ドロ沼問題」に気づく目👀を養っておく!
ことが大前提として、必要かと思います。
都立両国合格者のボーダーは?
サロンメンバーさんの話を聞いてみると、今年は合格者の得点差が大きかったな~という印象です。
適Ⅰで高得点取って逃げ切るのか、適Ⅲで高得点取って差を付けるのか…。
お子さんの適性を見極め、戦略を立てることが大切です。
模試をたくさん受けて見極めましょう。
ちなみに…適Ⅱの得点は様々でした。
適Ⅱの合格者内点差は20点ほどだったことから、
適Ⅰ、適Ⅲの得点で運命が分かれたと言えるのではないでしょうか。
そして報告書は、平均190くらいだったと思います。
年末までの日々の生活が報告書に反映されるので、
その辺りも意識して生活していきたいですね!
科目別!都立両国の適性検査Ⅲ対策
都立両国対策【算数編】
両国の適性Ⅲの大問1は算数でした。
1辺が9cmの正方形をいくつかの正方形に分ける、という問題です。
- 問題文に数値がでてきたところは、必ず!線を引く。
(再度探す時間のロスをなくすため) - 一般的なやりかたは、全部数えること。→ しかし、時間がかかる。
- 両国は時間が厳しい・・ → まずは、なにかやりやすい方法がないか考える。
- 同じところをまず探して、そこは省いて残ったところを数える
間違いなく「ドロ沼」系問題です!
「自分でも書いてみましょう」という問題は、
時間を費やさせるために、設定されている問題なのです。
ちなみに、(適Ⅲから話が逸れますが)今年の適性検査Ⅱ(都立共同型)の大問1にも、「ドロ沼」算数問題がありました。
そこで、時間を取られすぎた子は、
大問2,3に時間が回せず、
点を落としてしまったというケースがあったと思います。
このように、まず
最初の問題に「時間を費やさせる」系の問題を配置する、
ということは、よくあります。
これは、意地悪でやっているわけではなく、
「時間配分に慣れているかどうか」という適性を見分ける為です。
これは東京に限らず、全国どこでもよく見られる傾向です。
なので、このような
「自分でも書いてみましょう」「案を出してみましょう」という問題は、
アヤシイぞ!と思いながらやりましょう。
さて、話を適Ⅲの算数に戻して、問題2と問題3のポイントです。
- まずは、書いてみる。(素直さ)
- そして、そこから調整してみる。
でも調整しても、なかなかぴったりはいかないのが両国の問題です^^; - でも、うまくいかない。。 → 時計を確認する⌛
- 時間がなければ、一旦その問題は飛ばして次の問題に取り掛かる。
- (今回の場合は)次の問題3で、平方数であると気づける。
※次の問3がヒントになっていた!
⇓
問題2も解けた!
前の問題のヒントがあるかも!
都立両国対策【理科編】
都立両国の適Ⅲの構成は⇓の様でした。
秋くらいまでには
自分は理科が得意か、算数が得意か、
模試の結果などを見ながら見極めておきましょう!
そして、12月末あたりまでに戦略を立てましょう。
さて、適Ⅲ大問2 理科の分析です。
大問2は、「温度計」の問題が出題されました。
もちろん、都立両国の問題は教科書ベースの範囲内で出題されるのですが、
「あ、なんかこれ、知ってる! 見たことある!」
という引き出しが多ければ多いほど、
自信を持って取り組めるということになるのです。
やらなくてはいいといえども、
色んなことに幅広く興味を持って取組めると良いかと思います。
見たことない「実験器具」、ややこしそうな「数値」、「灯油」というあまり馴染みのないワード…
こういった、「なんですかこれ?!」と思う情報が出てきても、焦らずに、
「でも、今まで勉強してきた内容で必ず解けるハズだ!」と気持ちを立て直していきましょう!
ちなみに、似たような感じの問題は、
横浜サイエンスフロンティアなどでも出ています。
また、適性検査の問題集「銀本」をやるのはもちろんですが、
私立型の適性検査の問題集も一冊やっておくと良いと思います。
みくに出版からも出ています。(※2021年は発売中止になっているようです。)
⇓私立版銀本は、なかなか書店では見かけないですし、今後発売されるか分からないので、本番まで余裕がある時期にネットで購入しておくのがお勧めです
今回は、
理科と見せかけて、実は計算問題、というパターンです。
体積の求め方がまだ曖昧のまま
本番を迎えてしまうということもあると思いますが、
この辺りは普通に求められてくるので、きちんと押さえたいところです。
0.75✖️0.75✖️3.14✖️高さ
ここで、
0.75 = 3/4
と気付けるかどうか。
小数から分数への変換がパッとできるかどうか。
勝敗を分けるところかもしれません。
私立受験の子は、平方数とともに、
1×3.14から10×3.14くらいまでは、当たり前のように暗唱しています。
この様な私立併願組が、ライバルであることを
忘れないでくださいね。
が勝負になってきます。
毎日1行計算問題集などで練習しておくとよいですね!
そして最後、理科の記述問題についてです。
- 灯油⇒温度が上がると規則正しくメモリが上がっていく。
- 「でも水だと下がったり上がったりするから、温度計だと正しく使えない」
といった記述が必要です。シンプルですね!考えすぎず、30分の範囲内で解けるように設定されていますから、深読みせずに答えを作りましょう!
先述の通り、
50点で合格した子と、90点で合格した子がいました。
問題数に換算すると、たった2問。
これで40点の差がつきます。
恐ろしい学校ですよね^^;
そう考えると今一度、
- 時間の使い方
- 正確な計算力
- 効率の良さを求める要領の良さ
をしっかり押さえておくべきかと思います。
これらをどれだけやったか、どれだけ解いてきたか、で決まります。
都立両国合格に向けたスケジュール
最後に、都立両国合格に向けたスケジュールをご紹介します。
まず、
12月に入るくらいには、
「いつ受けても、明日受けても、受かる!」
というところに持って行くというのが目安です。
2/3に間に合わせるつもりでいくと、かなり危険です。
年内にはいつ受けてもOKという状態にしておきましょう。
そのあとは、調整期間として
「合格ラインはもう大丈夫!」だから「更に上を目指す!(上位での合格を目指す)」というのが、ラスト1か月ちょっとの取り組みです。
そこから逆算して、何を仕上げなくてはいけないかを考えましょう。
読解力、語彙力、算数の知識をつけるというのは、時間がかかります。
夏休み前~二つの山場を設定しましょう。
- 山場① 夏休み前~夏休み終わりまで
- 山場② 夏休み~シルバーウィークまでの秋にかけて
夏期講習や合宿、模試は塾に行っている子は受けつつ・・
下記のような⇓スケジュール感を意識して取り組むといいでしょう。
【8月後半まで】
・計算の特訓を終わらせておく。
・同じ時期までに社会の資料系の対策は終わらせておく。
【9月末くらいまで】
・志望校の指定字数で、月に2~30本は作文を書いておく。
・苦手な単元はまとめておく。
→直前期にこれを見て振り返りができるようにしましょう。
【秋くらいまで】
・月に1冊くらいは、適性検査Ⅰに出そうな本を読んでおく。
→直前になると本を読む時間もないので、この時期までに読んでおきましょう。
【秋~冬まで】
・私立向けの理数系・国語読解問題集を1、2冊終わらせておく。
・速度をあげるために、首都圏など、難易度の高い学校の過去問を、時間の負荷をかけながらやっていく。
「朝ごはんを食べる」「歯磨きをする」ように生活に溶け込ませていきましょう。
梅雨~秋くらいまでは、本当にきつい時期ですが、
この時期のどれだけ頑張れたかによって、
秋~冬に向けての調整期間に早く入れるようになりますよ(^^)/
都立両国中<分析と対策>まとめ
この学校は、合格者のママさんの話を聞いていると、「戦略の大切さ」を強く感じます。
作文が割と書けるから、そこを伸ばしておこう…
適Ⅲはかなり厳しいから、ⅠとⅡで取れるように過去問演習をしよう…
算数は得意だから、もっと磨いて適Ⅲで圧勝を狙おう…
こんな風に、夏時期くらいには戦略を決めて、それにそった家庭学習のプラン・フォローをなさっていました。
ハードルも高く狭き門ではありますが、過去問演習の添削や学習計画の組み立てなど、二人三脚で合格を目指してくださいね(^^)/
では!