こんにちは。適性検査対策専門家のケイティです。
いよいよ適性検査受検本番が近付いてきました。受検生の保護者にとってはドキドキ(ヒヤヒヤ?)で気の休まらない最後の正念場が始まります。
ということで今回は、点数に直結するノウハウをお伝えして、少しでも気持ちを静めてもらえたら…(^^;)と思います。
実際に過去問もピックアップしたので、親子でチャレンジしてみてくださいね。
意外と知られていない「対照実験」とは
今回ご紹介する対照実験とは、大人にとっては感覚的に理解できるものなのですが、小学生にとっては少し慣れが必要かも知れません。
でも、非常に単純な考え方で難しくはないですし、一度頭に入れてしまえば、「あ、これは対照実験の考え方だ!」とすぐ気付けるようになります。
適性検査の問題文に「これは対照実験の考え方ですよ」といったヒントは出てきませんので、お子さんが自分の頭で気付けるかどうかが、得点できるかどうかの分かれ道になります。
【これは対照実験の問題だ!と自分で気づけるかどうか?】
これが得点の分かれ道!
※問題文では一言も「対照実験」という言葉(ヒント)は出てこない!
「対照実験」を軸に解答できるかどうかで、記述の点数が大きく変わってきます。(大げさではなく、ポイントを押さえておかないとその問題はゼロ点、ということもありえます)
なんとな~く、は理解している子も、直前期にもう一度、しっかりと定着させておいた方がいいでしょう。
「対照実験」の例
「対照実験」とは、一言でいうと、「条件をそろえてAとBを見比べる」という方法のことです。
実際に例を出してみますね。食塩の溶け方について調べたいとします。
A:常温の水に食塩をとかす
B:冷たい氷水に食塩をとかす
AとBを比べて、多く溶けた方を見つける
これは、実験としてはメチャクチャだと気付きましたか?
もしかしたらA(常温)は100mlなのに対し、B(氷水)は3Lあるのかもしれません。
もしかしたら、A(常温)には食塩5gしか入れていないけど、B(氷水)には食塩を200gも入れていたかも知れません。(ちょっと極端な例ですけどね!)
これでは実験にはなりませんよね。2つのものを比べるのであれば、比べたいこと(今回は温度)以外はすべてそろえなければなりません。これが「対照実験」の考え方です。
小学生にはちょっと難しい?
条件をそろえて論理的に記述する、というのは、数学の考え方に似ています。
AであるならばB、BがCならD…といった思考は中学・高校の数学で繰り返し出てくるので、大人にはなじみのある考え方です。しかし、小学生の段階では「条件」や「結果」を整理して記述するのは最初は難しいかも知れません。
感覚をつかむまで、何度も類題を解いて記述に慣れておくとよいでしょう。
データを整理したり条件をそろえたり・・・「対照実験」の考え方を感覚的に理解できている子は多いのですが、「記述する」となると話は別です。
慣れないうちは、不必要なことまでダラダラと書いてしまい、解答欄に入りきらない・・・そして時間も足りない・・・これは非常に多くの受検生がはまってしまう落とし穴なのです。
逆に言えば、慣れてしまえば、得点のポイントをおさえたすっきりとした回答を書くのは難しくありません。
2009年の過去問から選んで簡単にアレンジしています。さっそくチェックしてみましょう。
青森県立三本木高等学校付属中学校(類題)
オーソドックスな「対照実験」です。「対照実験とは?」という入門としてイメージしやすい問題と言えるでしょう。
【実験】
割れにくいシャボン玉を作るための「シャボン液」の作り方を調べる
【シャボン液の材料】
1 水(5度、20度、40度)
2 洗ざい(1ml、2ml、3ml)
【問題】
割れにくいシャボン玉に必要な洗剤の量を調べたいとき、必ずそろえないといけない条件はなんでしょうか?
【答え】
水の温度、水の量、シャボン玉の大きさ
この実験で比べることのできる内容は、「水の量」「水の温度」「洗剤の量」などが考えられますね。
ほかにも、「割れにくいシャボン玉をつくるために最適な水の温度を調べるために、必ずそろえないといけない条件は?」も考えてみましょう。
プログラミング思考でもある「対照実験」はますます増える
2020年からは、小学校でもプログラミング授業が必修になります。すでに一部の小学校では企業とタイアップした授業が行われていますね。
実は、今回紹介した「対照実験」はまさにプログラミング的思考で解く問題なのです。
慣れてしまえばそこまで難しいことではありませんが、慣れないうちは不必要なことまでダラダラと書いてしまい、解答欄に入りきらない…そして時間オーバー…ということも結構多いのです。
今後は中学、高校でもプログラミングの授業がどんどん高度化していくと言われています。小学生のうちから、適性検査対策を通してプログラミング的思考を身に着けておくと、良いスタートダッシュができそうですね!
まとめ
「頭で分かってはいても、書こうとすると手が止まる」。大人でも経験したことがある方は多いのでは?(私はよ~くあります(笑))
頭の中を整理して書き出す訓練を積めば積むほど、ケイティ式で伝えている地頭の良さにもつながっていきます。
受検という1つの区切りだけのためだけではなく、将来的な学力という面でも必ず力になります。大切な思考法なので、これを機に「対照実験」を頭に定着させましょう!