この記事は、横浜市立南の受検を考えている保護者の方向けです。
ぜひ、参考にしてくださいね!
公立中高一貫校受検アドバイザーのケイティです。
東京都立・神奈川・埼玉・千葉・大阪ほか、
全国の公立中高一貫校の受検指導をしています!
よろしくお願いします♪
2021年度過去問分析と解説を行います!
志望校がまだ絞り切れていない方は、こちらもどうぞ…
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横浜市立南・サイエンスフロンティア【適性検査Ⅰ】2021年度過去問分析と対策
適性検査Ⅰ 大問1
今年はちょっと結構がガラッと変わりましたね^^;
配られた瞬間にあれ?‥て思った子も多かったのでは。
内容と量も重たい内容ですね💦
今回は、SDGsの前段階であるMDGsが切り口です。
後半の方はSDGsの話になっていきます。
よ~くあるテーマですし、
銀本の中でもたくさん見かけますね!
「未来のために」や「豊かな社会のために」大事だと感じたこと、これから考えなければならないこと、など
当たり障りない一般論が書ければOK でした!
世の中の仕組みにたくさん触れさせて、引き出しを増やしましょう^^
保護者の方にとっては
「そんなの当たり前でしょ」と思うようなことも
子供達にとっては初耳だったりすることは、たくさんあります。
ニュースとか新聞とか学校の授業とか
バラエティに近いニュース番組とか…
色々みて、
「あぁそういう仕組みなんだ」、
「こういうことが今世の中の課題なんだな🤔」という
引き出しをたくさん持っている子にとっては
有利でしたね😊
適性検査Ⅰ 大問2
これまでは、 6ページも7ページもあるような文章を読んで要約するという形式でしたね。
これを実際に取り組んでみるとわかるのですが、
文章の意味があまり分かってなくても
要約ってできるんですよね…。
慣れていると…
例えば筆者が
・「~~すべきだ。」と言ってるところ
・「~~と思います。」と言っているところ
こういう分かりやすい主張のサインに線を引っ張ってツギハギしてしまえば、要約は完成します。
つまり、読解力と要領の良さという適性は見抜けますが、人生経験の量、思考の深さ、社会に対する責任感、というような適性は測れません。
これが、傾向をガラッと変えた要因ではないかと思います。
「機械的に解く力」ではなく、その子が持っている素質(責任感や課題解決力)を測るような問題に切り替えたように感じます。
【市立南・サイフロ】読解×選択肢問題の対策
選択肢で一個選ぶのではなく、文章の意味と合っているものを
○×で選ばなければいけません。
つまり答えはひとつじゃないので、
完璧に読み取れていないと厳しいです💦
だから、対策として、
「国語の読解」にすごく力を入れる必要があります。
これは銀本でカバーするのは厳しいので、私立中学受験向けの国語の参考書を使って対策していきましょう!
私立中学受験で必要な国語説明文対策では、
「この文章の内容に合っているものに○×をつける」系の問題はよくあるので、1冊でもいいので読解参考書を終わらせておいてください。
横浜市立南 ・サイエンスフロンティア【適性検査Ⅰ】分析まとめ
1.2022年度の難易度はどうなる?
(9割取れた子が続出!)
来年は調整が入るので、難易度が上がる
いきなり易しくなって
また引き続き易しくなる…って言うことまずありません(笑)
今回適Ⅰでほとんど差がつかず、
適Ⅱで差がつくという形になりました。
それだと適性検査の意味を成さないので、
もう少し難易度は上がるだろうなと思います。
傾向がガラッと変わった翌年というのはまた変わることが多い
傾向を変えて翌年調整して3年目で仕上げてくる!
これは今年1月ぐらいの公式 LINE の方でも配信しましたが、
全国的に、「傾向が変わったら、また翌年も変わる」
と覚悟して臨みましょう!!
傾向が変わると、しっかり対策してきた子ほど、
頭の中が真っ白になってしまうこともあります💦
傾向は変わって当然!と思っておきましょう!
2.必要な3つのチカラ
市立南合格に向けて、
適Ⅰで必要な力としては
私は3つ感じるところがありました
時短と要領
語彙量
【慎重さ】
適Ⅱでもすごく求められました。
今年の一つのキーワードになっていますね。
解いた後に本当にそれで合っているのか?冷静に確認できるかどうかです。
それから、気付きづらい引っ掛けがすごくたくさん散りばめられていたので、
落ち着いて、ちゃんと一行ずつ読んだり、線を引きながらできたか、
という丁寧さも試されました。
【時短と要領】
今回は意見文が出て見た瞬間「え~~💦」と思った子も
多かったんじゃないでしょうか。。
サイエンスフロンティアでは、
もともと意見文を出していましたが、
合同になってからは要約が続いていたので、対策していない~!と焦った子も多いはずです。
ただ、南・サイフロに特化した地域の塾では「そろそろ意見文出るかも知れないから」と直前期に意見文の練習をしていたところもあると聞いています。
意見文自体はそこまで難しくありませんでした。
ただし、時間がすごく限られているので奇抜なアイデアや個性を爆発させるような内容にはせず、要領よくササっと書き上げて次に進みたい問題でした。
【語彙】
大人ならば分かるような言葉でも
「非識字率」とか「非就学児童」など…
子供達にとっては何を意味しているのか、理解できない単語も多かったはずです。
たとえば、「半減」や「水準」といった単語も、意味がパッと汲み取れたかどうか…。
日頃の語彙力が試されましたね💡
横浜市立南【適性検査Ⅱ】2021年度過去問分析と対策
適性検査Ⅱ 大問1
続いて、適Ⅱです。
問題としては、
「やりやすくなったな~!」という印象でした。
以前のように、
「問題の意味がよく分かりません…(泣)」という鬼問題はなかったです。
おそらく、小5の子でも大問1はチャレンジしようと思えばできそうです。
正解はできないかもしれませんが、「知識がないと解けない」問題ではないので、
大問1をチャレンジしてみて、こういう系の問題が得意かどうかを確認して適性を事前に把握するのもいいかも知れませんね❕
適性検査Ⅱ 大問2
大問2がちょっとややこしいです💦
「うるう年」の問題です。
「うるう年」は銀本の中でもよ~~く出てきます。
以前、都立の南多摩でも、
本当にこれとそっくりの問題がでました。
去年、ケイティサロンでも質問頂いたことがあって、解説したことがある問題です。
うるう年がないとちょっとずつズレが出る⇒だから、どこかで調整をしないと
いけないという問題です。
問題としてはそこまでややこしくないです。
ただ、使われている言葉とか数字や、小数点がたくさん出てきた時点で
頭が考えることをやめてしまう子が多いです💦
ちょっと難しい問題とか、ややこしそうな見た目の問題に、ぴしゃっと心のシャッター降ろしてしまう子が多いなと‥最近よく思います(-_-;)
課題解決力や、リーダーシップ力、というのが公立中高一貫校が大事にしている生徒像なので、難しそうな問題への対応の仕方で、適性を測っているのかもしれませんね。
適性検査Ⅱ 大問3
大問3は電池の問題が出ています。
ちゃんと読めば
選択肢もすぐ選べるかなと思います。
これまでよりも非常にわかりやすい間違いの選択肢を置いてくれていると思います。
問題1
「食塩水を濃くすると電圧を大きくすることができる」
という選択肢があるんですけど
食塩水を濃くするっていう話はどこにもない…🤔
ということは、この実験からは分からない、
こんな風に、本当に分かりやす~い「ダミー選択肢」が
置かれているかなと思います。
問題3
発光ダイオードの問題が出ています。
発光ダイオードは、銀本の中にも年に1校か2校くらいは登場します。
豆電球は、どちらにつなげても回路がつながれば光りますが、
発光ダイオードは、向きを間違えると光らない、という特徴があります。
これは小学校でちゃんと習っているところです。
習っていても、市立南は、発光ダイオードの仕組みもちゃんと丁寧に書いてくれているので、きちんと問題文を読めば解けるようになっています。
これも「発光ダイオード?なにそれ?」と焦るとどうしても頭が空回りしてしまいますが、
「必ずどこかにヒントが書かれているから、落ち着いてやれば大丈夫!」
っていうことを、頭に入れておいてくださいね
適性検査Ⅱ 大問4
それからハープの問題が最後に出ています。
ハープとか鍵盤が出てきた時点で特に男子は
もう「うわー!勘弁してくれ~!」って感じの子が多いかなと思います💦
今年も男子と女子で大きく差が開きましたね。
やっぱり鍵盤やお裁縫系の問題が出ると途端に苦手意識を持つ男子は多いですね…。
とはいえ…ちゃんと読めば分かります。
ドレミファソラシが7つの音で1セットを作る、という規則を見つけていく問題です。
規則性は南に限らずですが、しっかり対策しておかないといけない単元です。
小学校の学習ではなかなかやらないところなので
+αの受験勉強で算数の応用問題、私立中受験向けの知識があったら有利だな、と思います。
ただ、これは誤解がないようにしておきたいのですが、横浜圏の私立を第一志望で対策している子が二足のわらじの対策で受かる学校ではありません。
南の対策に特化しつつ、プラスアルファの付加で、
範囲を広げて算数の対策ができたかどうかというところです。
最後の問題は、思いっきり都立型になっています。
知識は不要だけれども、いろんなパターンの対照実験をさせる。
そして、その求めたい答えに合わせた条件を選び出す。
これは、ずっと都立中が大問3で出している内容です。
都立の適性検査Ⅱ大問3や、適性検査Ⅲ実施校の理科問題を直前期には演習してもらえたらなと思います。
問4・問5は、振動数の話が出ています。
この問題は、引っ掛けがあって、早とちりしてしまうと選択肢を間違えてしまうのですが、
慎重に丁寧にやっていれば正しい答えを選べます。
その辺りの丁寧さ・慎重さが試されたかなと思います
ウッカリミスは、一つずつチクチクと原因を追及して、
「ウッカリミスをしたらうちのママはホントめんどくさいんだよな(-_-;)」と思わせるくらい、しつこく対策を考えていってください。
横浜市立南【適性検査Ⅱ】過去問分析 ポイント別
1.サイフロ法則「みんなの苦手分野が狙われる」
さて、お子さんの持ってる「抵抗感」。
感じることがあると思います。
過去問演習をする時に
「こういう問題イヤなんだよな~」といつも言っているジャンルはないでしょうか?
小6の真夏~秋ぐらいになってくると、お子さんが抵抗を感じる問題が結構浮き彫りになってきます。
例えば、
「エネルギー系」「回路・電流」「浮力」「立体の切断」など…
見るからに萎縮しているとか、やる気を無くしているとか、苦手だからと決めつけて取り組もうとしない、、、そういう問題が、必ずあるはずです。
このように、多くの子が嫌うジャンルが、
今回市立南で集中して狙われたという気がします😨
もともと、
サイエンスフロンティアはそういう単元すご~く好きで
大問3で狙ってくる傾向がありました。
今回市立南でも同じように、多くの受験生が嫌って目を背けてきた単元を集中させたなと感じます。
2.ピアノ・音階分野
今回、音符、音階の問題も出ていました。
特に男子に、
「ピアノとか触ったこともない」とか
「音楽の授業はあまり好きじゃない」とか
いう子が多いんですよね^^;
ピアノとか音符っていうものがテーマで
切り口として出題された瞬間に、
「絶対できない💦」って
よく読めば分かるはずなのに落としてしまうことが
よくあります。。(><)
銀本で過去問演習するとき、
「自分が抵抗感を感じる問題」を
どこまでこだわって克服しようとしたかが、
本番、得点に反映してきますので、覚えておいてください。
今回音符の問題、
説明は一文ずつかなり丁寧にされていますね。
鍵盤の図が書かれていて
ドレミファソラシドと書かれているので
ちゃんと読めば分かるはず。
そのため、「嫌いなんだよな💦」と感じるジャンルが出たとしても焦らず、本番を想定してこだわって克服していきましょう!
3.巧みなひっかけ問題
適Ⅰはこれまでの傾向だと、
最初の前半の選択肢問題を10分以内で終わらせて、
次、7ページも8ページも
続く文章の要約をしないといけない。
なので、前半の選択肢問題をいかに早く
終わらせるかが、ひとつの鍵だったんですよね
でも今年はそうじゃなかった
今年は引っ掛けに気をつけて
前半をしっかり読んでやらないと、
落とし穴に引っかかるような作り。
まず始まった瞬間に全体をバーっとめくって
「あ、今年長い文章出てないぞ!」
ということは、
「前半が難しいもしくはややこしくなっているはずだ」
と、分析がパッとできたかが、カギでしたね
今回の適Ⅱは、適Ⅰに続いて丁寧さ・慎重さが求められました。
ものすごい巧みな引っ掛けが多かったです。
ただ高度すぎる問題ではありませんでした。
市立南は、図形の問題が特に多く、赤本の解説を見ても「ど、どこから手をつけたらいいのかしら???」と感じる問題が毎年ありましたが、今年はなかったですね。
丁寧に、ヒントを漏らさず、落ち着いて取り組めるだけの場数(演習量も模試経験も)を踏んで来たかどうか、が試されました。
横浜市立南【適性検査Ⅰ/Ⅱ】2021年過去問分析まとめ
1.朝9時には過去問演習をスタート。本番通りに生活しよう
適Ⅰは、朝9時スタートでいきなり細かい表とか、ややこしい&難しい問題を解かなくてはならないわけです(T_T)
ということで、朝9時には、
過去問演習をスタートしましょう!
2ヶ月ぐらい前がオススメです。
土日のどっちかだけでもいいですので
本番は、朝8時半にはもう席に着いています。
何時に家をでるか逆算して、
土日どちらかは
その通りやってみる訓練をしましょう!
頭の空回り予防です(^_-)-☆
2.注釈※印をちゃんと読むクセをつけよう
適Ⅰでは、「初等教育」「中等教育」というような単語が下の方に※印で注釈が書かれていたのですが、・・・
この下の方の注釈、読み飛ばしたままの子多いです💦
下の方の注釈を読まないと解けないようになっているので
そこはきちんと読む習慣をつけておきましょう!
銀本の中でもレベルが高い学校は、
この※印のところを読まないと資料問題が
解けないような設定がされていることが多いです。
3.引っ掛けや落とし穴を見抜こう
たとえば今回、適Ⅰ大問1で、
個人的にはすごくややこしいと感じたのが
非就学児の割合ですね💦
よく教科書で見かけるようなグラフでは、
達成している=数字が高い、が普通ですよね!
ですが、今回は「非就学児率」なので、まずこの単語がマイナスの意味なんです。
つまり、数値が高い=良くない、という、ややこしい反転が起こるわけです。
プラスとマイナスの意味が
ごちゃごちゃしてしまうと思うんですね💦
しっかりと語彙力と読解力を鍛え、そして本番のプレッシャーに負けずに落ち着いて読み取らないといけない問題でした。
4.社会の動向を自分ごととして捉えられるチカラを。
それから適Ⅰ大問1 資料4は
海外青年海外協力隊が派遣活動している地域を表しています。
ちなみにちょっとだけ話が飛ぶんですけど…
私の教え子で、社会人になったばっかりの子なのですが、
アフリカで海外青年海外協力隊としてピアノの先生をやってる子がいます^^
その地域にはピアノの先生がいないそうで、音楽の楽しさを子供達に伝える活動をしています。
その子みたいに、
公立中高一貫校で勉強したり、
適性検査の勉強をした子は、
世の中のいろんな課題に対して
自分ごととして考えられるような子になるような
気がします。
そういう子は、適性として向いているんだな、と
つくづく感じます
最近の学校の勉強や、適性検査もそうですが、
いろんな社会問題課題に触れることも多いと思います。
それはただの受験勉強として機械的に解かず、
今後社会に立って生き、社会を良くしていく
という責任感を持って勉強できるといいですね
これはもう、、
パパさんママさんの
声かけにもかかっています!
ニュースを見ながら「自分だったらどうする?」
という声掛けが、最後の意見文に関わってくるかなと思います
5.世界全体の把握をしよう
適Ⅰ大問1で
「課題のある地域」を聞かれています。
ここでは、世界の地理も一般常識の範囲で試されましたね。
「ブルキナファソ」とか「マリ」というのは、
このエリア、この地域ってお子さんはわかるでしょうか?
このような一般常識としての地理を聞いてくるのは、去年から引き続きですね。
世界地図を見てどこに何があるか、発展途上国、先進国がどこにあるのか、
ニュースなども活用して知っておきたいですね
6.意見文の書き方。決まり事は必ずチェックする
今年の意見文の書き方の指定が思いっきり「埼玉型」でした。
横型だといつものタテ型原稿用紙とは勝手が違うので、きちんと条件を読んで落ち着いて対応したいところですね!
数字、小数点をひとマスに入れるのか、分けるのか確認
印象点ガクッと下がるのでマス目はみ出しは要注意!
横浜市立南はハードルも高く狭き門ではありますが、
過去問演習の添削や学習計画の組み立てなど、二人三脚で合格を目指してくださいね(^^)/
では!