合格した子はみんなどのくらい過去問演習していたの?親も解いた方がいいの…?!
塾講師をしていると、『過去問演習』についてよく質問を受けます。
結論から言うと、適性検査で勝つために過去問演習はめちゃくちゃ重要です。
私が立川国際・南多摩クラス、武蔵・小石川クラスの担任をしていた時、夏期講習や直前特別授業に別の塾からも多くの生徒が掛け持ちで参加してくれていました。
そこで「過去問何回くらい解いたの?」と質問すると、多くの生徒が過去問を1度しか解いていないと言うのです。びっくりです。
これでは、相手の好みも知らないのに猛アタックするのと同じです。しかもチャンスは1度しかないのに、です。
繰り返しますが、合格するためには過去問演習が重要な鍵です。
今回は、適性検査を攻略するための過去問の重要性だけでなく、効率を飛躍的にアップさせる技も合わせてご紹介します。
【適性検査対策】過去問演習はなぜ必要?
過去問を繰り返した方がいい理由は挙げるとキリがないのですが、私の経験上、合格した子たちは受検本番の1か月前、つまり1月の段階で、過去問の答えをほぼ暗記していました。
なぜかというと、直前期の1月は週に1回以上のペースで志望校の過去問を解いてもらったからです。(もちろん、直前期に入るまでに数回は解いた上で、です)
「本番で同じ問題が出るわけじゃないんだから、過去問の答えを覚える意味あるの?」と思われるかも知れませんね。
もちろん、「過去問の答えを覚えなさい」と言って演習させたわけじゃありません。
私が覚えさせたかったのは、学校のクセそのものです。
公立中高一貫校は、学校ごとにかなりのクセがあります。それは私立中学以上に強烈です。
問題文だけでなく、答えの書き方、点の取り方にも強い特徴があります。
そのため、自分のアンテナをしっかりとその学校に向けて合わせておく必要があります。(ラジオのチューニングのようなイメージです)
これは定期的にやらないと段々とずれていく「感覚的なもの」です。
塾や参考書の落とし穴
業界の痛いところなのですが、塾のテキストや模擬テスト、市販の参考書は、「その学校1校だけ」に特化することはハッキリ言って難しいのです。
「え?○○校対策クラスに通ってますけど!」って思うかも知れません。
でも、そこで使われている教材は、同じくらいのレベルの学校を受ける受検生にも使いまわせるように作られています。(言い方は悪いですが)
なぜなら塾も出版社もビジネスだからです。たった1校を相手にするよりも、2校3校とまとめて幅広くダーゲットにした方が儲かりますよね。
もちろん、「○○校対策専用模試」という形の1校特化型模擬テストもあります。私も作っていました。けれど、どんなに特徴を真似しても、真似は真似です。出題する先生のクローンにはなれません。
だからこそ、定期的に過去問で志望校の色に自分を合わせておく必要があるのです。
「適性検査の過去問」親も解くべき?
進路面談でよく聞かれましたが、答えは「NO」です。安心してください(笑)
合格した子たちのお母さんで解いている人はほとんどいませんでした。パラパラっと過去問を見て「ほうほう、こんな問題が出るのか〜」程度で十分です。
心配だからこそついつい分析家になってしまう保護者の方が多いのですが(特にパパさん!)、公立中高一貫校の分析は底なし沼にハマるようなものです。
分析は、公立中高一貫校の過去問を何百校も解いている私のような変態(?)に投げておきましょう。
受検生の保護者としては、過去問をザッとみて「こんな文字ばっかりのテストをウチの子は解いているのね、エライ!」と思って頂ければ、そしてお子さんを誉めていただければ、それが一番です。
「適性検査対策」過去問を解くタイミングは?
回数を重ねるごとに答えも覚えてしまいますので、かかる時間は短くなっていきます。
最後の方になると30分以内に全部の空欄が埋まるようになってくるので、時間的に大きな負担ではないはずです。
目指すのは「もはや写経」のレベル
繰り返し解いていると、空欄の埋め方など冷静に分析しながら書けるようになってきます。
答えを覚えているからこそ、「うーん、正解はなんだろう?」と考える必要がありません。だから、脳の考える力を問題分析に回すことができるのです。
また、直前期は焦りや緊張から気持ちが浮わついてしまう子が多いのですが、そんな時期こそ過去問演習はおススメです。
同じ行動を繰り返すのには、心理学的にも落ち着かせる効果があると言われています。
だからこそ、自分の気持ちを落ち着かせるために「慣れ親しんだ過去問」と向き合う時間を作っていました。結構効果がありますよ。
適性検査本番で味方してくれるのは「経験値」だけ
2月3日当日、お子さんはたった一人で教室へ向かいます。真冬の空気で冷えた指先をこすりながら周りを見渡すと、そこには知らない子ばかり。なんだかみんなが賢そうに見えてきます。
そんな不安な心を励ましてくれるのは、「過去問を解いた回数はわたしが絶対イチバンだ!」という強い自信です。
これは、想像以上に気持ちを強くしてくれる「おまじない」の力があります。
公立中高一貫校の受検は1発勝負ですから、「気持ちの強さ」で1点の差がつくことも多いのです。
適性検査の過去問を解こう!【実践編】
公立中高一貫校の過去問演習は、ただ解くだけではつまらない単純作業になってしまいます。
でも、これから紹介する順番でやれば、はるかに効率をアップさせて実力をつけることができます。
ぜひやってみてくださいね!
え?解く前に解答見ちゃうの?!
そうなんです。そして、こう言ってください。
「今から10分計るから、答えを覚えてね。コツは、目で写真を撮るみたいに覚えること。セリフみたいに覚えようとすると時間が足りないよ。10分経ったら、テストを始めるね!」
実際やってみると分かりますが、子ども達はめちゃくちゃ集中します。普通にテストを始めるより、はるかに真剣に取り組みます。
本番気分を味わうため、時間はきっちり計ってください。「20分前」「10分前」「5分前」「1分前」とアナウンスするのも効果的です。
ケイティ式でも繰り返し伝えていますが、「解いた直後の振り返り」が最大のポイントです。
問題用紙や解答用紙に、「解きながら感じたこと」をそのまま青ペンで書きこませてください。
これが、直前期に大きな武器となります。詳しくは後で説明しますね。
必ず自分で採点させてください。低学年からの習慣でお母さんが採点係をしているご家庭が多いのですが、6年生になれば自分でできるはずです。
そして、採点する前にある一言を言うだけで、その後の学習を大きく変えることができます。
それは、「○○校(受ける学校)の先生になったつもりで採点しなさい」。これだけです。
採点者の気分で採点することにより、2つの効果があります
この感覚が身に付くと、常に「この問題はどこを押さえれば加点されるかな?」と考えるクセがつきます。これは非常に強い武器です。
採点後、また青ペンで気付いたことを書き込みます。
すべて終わったら、青ペンだらけの問題用紙と解答用紙が残ると思います。
これは、自分だけの超強力な「弱点対策マニュアル」になります。
専用のファイル(100均のものでOKです)に入れて、過去問演習をするたびに追加していきましょう。
まとめ
公立中高一貫校の受検勉強は、かなりの範囲をカバーしないといけませんよね。でも、準備期間は無限ではありません。
この2点に的を絞った方法をお伝えしました。
ぜひ実践してみてくださいね!