こんにちは!公立中高一貫校合格アドバイザーのケイティです。
最近は、適性検査型の入学試験を導入している私立中学がたくさんあります。
公立中高一貫校受検は「一発勝負」になるので、直前期に私立の適性検査型を受けることで場慣れの練習になったり、万が一第一志望とご縁がなかった場合の進学先になったりします。
併願受験については賛否両論ありますし、都立残念なら地元中学へ進んで都立トップ高に向けてリベンジ!というケースももちろんあると思いますが、魅力的な私立中学も(しかも特待制度も)あるので、優秀な子だからこそ志高い仲間や質の高い教育が整っている環境で六年間しっかり学ぶ、というのもぜひ選択肢の一つとして考えて頂きたいと思います。
最近は適性検査型を実施する私立中学校は増加していますが、検査問題の質の高さはかなり差があります。受けるからには、都立の検査問題をとことん研究して作問している学校を選んで頂きたいですし、万が一本命の都立とのご縁がなかった場合の進学先としても、安心して六年間お子さんを預けられるような学校として、今回は八王子学園を紹介したいと思います✊
八王子学園の特待制度は?
やっぱり気になるのは、特待制度です🤔
地元中学へ進学するか、それともご縁を頂いた私立中学へ進学するか…で悩んだときに一番ネックになるのは費用面だからです。
そこで助けになるのが、特待制度です。いまは適性検査型を行う多くの私立が特待制度を取り入れていて、入学金免除から3年間授業料免除まで様々な枠があります。
特待…と聞くととんでもなく優秀なごくわずかの子だけ…というイメージがありますが、そんなことはありません。先ほども書いたように特待のランクは複数ありますし、都立中学合格に向けて一所懸命頑張ってきた子であれば、充分に狙うことができます。
東大・医進クラス入試における成績上位者が、下記2種類の特待生の対象
A特待…入学金・授業料を免除
B特待…入学金を免除
八王子学園の特殊なところは、その特待制度が1年ごとに見直される、ということです。
入学試験の時点で「3年間無料」という風に特待が決まる学校もありますが、これは私は「中だるみ」の原因になりかねないと考えています。
本命の公立中高一貫校のご縁が貰えなかった子にとって、一番よくないのは、自己肯定感の喪失によってその後の学習意欲が盛り返さないまま中・高と過ごしてしまうことです。
入学してからも「次の目標」がきちんと分かりやすく提示される環境に入ることで、小学校時代に頑張ってきた受検勉強を「正解にしていく」機会を得ることになります。これは、とても大事なことだと思います。(それが出来ずに、ズルズルと学習習慣を失っていった子もたくさん見てきたので…)
たとえば、東大・医進クラスでB特待を貰った子が、一年間しっかり頑張って二年生からはA特待生として通える、ということが可能な制度はモチベーションの維持に繋がりますね!
また、A特待を貰っていた子も、一年ごとに見直しがあるので、気を抜くとA特待では無くなってしまうことも当然ありえます。
(今のところ、継続できているようです(*^-^*)が、こうやって「キープしよう!」という意欲が保てるからこそ、学習意欲を高く維持して努力できている成果だと思います。)
八王子学園の二つのコース設定
もともとは、「一貫特進クラス」というのが、基本のベースのクラスでしたが、医学部のガイダンスを受けられたり、より発展的な授業を受けられたりする「東大・医進クラス」が六年前に誕生しました。
いまは、一貫特進が2クラス、東大・医進1クラスというクラス設計になっています。
東大・医進コースで入試を受けて、もし得点が振るわなかったとしても、一貫特進クラスにスライドという形で合格を頂ける場合があります。
東大・医進/一貫特進クラスの特徴
東大・医進クラスと一貫特進クラス、という二つのコースがありますが、その違いは一体何でしょうか。これは私も気になっていたことなので、詳しく聞いて来ました✍
まず、学習量は基本一緒だそうです。
テキストがベーシックなのが一貫コース、発展的なものを使うのが東大・医進コースと、少し質的な違いがあるようです。
また、「推薦によって大学進学を目指すなら、東医クラスではなく一貫特進の方がいい?」というご質問を頂いたので、こちらも聞いてみました。
やはり、推薦は一貫コースの方が有利になるようです。
定期考査も一貫コースは東医クラスと比較すると易しいものになっていますので、高い評定を積み重ねて推薦を使って大学を受ける子も多いようです。
一方、東大・医進コースは基本コンセプトが最難関校【一般】入試としているので、大学入試さながらの問題も定期考査で出題するため当然難易度は高く、地元中学へ進学した場合と比べると良い評定を得るハードルは上がりそうです。
とはいえ、東医クラスの中にも、良い評定をキープして推薦で…という考えのご家庭も一定層いるようなので、現在、高校の方のクラス再編を検討中のようです。
このように、「色々なニーズや生徒の多様性を判断してすぐに検討体制に入る」という柔軟さがあるのも、私立ならでは(八王子中学だからこそかもしれません)だと思います。
なお、高校からは、勉強と部活をがんばる文理コースと、音楽と美術をがんばる総合コース、さらに、アスリートコースがあります。
文理コースにはさらに「特進」と「選抜」と「進学」いうコースに分かれています。
また、今後は「特進」のさらに上のクラスも検討中のようです。
伸びたい子はとことん伸びる環境、モチベーションが維持できる制度づくりに熱心に取り組んでいることが分かりました。
高い力を持って入学してくる子たちを、「もうひと伸びさせる」仕組みを作ったり、
「東大・医進コースに入っているけれど、推薦で大学へ行きたい」というミスマッチを極力減らし、高校2年生の段階でどのコースに行くか柔軟に選べるような体制になっていくようです。今後の説明会でもぜひ色々聞いてみてください。
八王子学園の適性検査とは?
2022年度からは配点が変わり、従来の検査Ⅰ=100点、検査Ⅱ=100点から検査Ⅰ=100点、検査Ⅱ=200点になりました。
なお、2月1日の適性検査は、当日20時に合否が出るというのだから驚きです。
単純なマルバツ採点ができないのが適性検査(ほぼ記述)なので、これを20時までに採点して(300名分以上!)集計して結果を反映させるのがどれだけの激務か…想像すると怖いくらいです…。
過去に実施された検査の内容は、学校ホームページにも掲載されているので、ぜひみなさんにチェック頂きたいと思います。
Ⅰは読解と作文、Ⅱは都立共同型と同じつくり(数的処理・会話文メインの資料読み取り・実験考察)なので、同じエリアの南多摩や立川国際を受ける方だけでなく、他の公立中高一貫校を受ける子にも演習用として挑戦して頂きたい問題です。
なお、八王子学園は12月の説明会や1月の説明会で、「こういうジャンルから問題を出しますよ」というヒントをお知らせしてくださいます。
説明会情報
さきほども書いた通り、12月・1月の説明会は傾向を知るためにも確実に参加したいところですね!
また、12月には「模擬入試体験会」ということで本番さながらの適性検査受検が体験できますよ。
きちんと採点して講評もしてくれるので、最後のレベルアップにも繋げられますね。
「東大医進コース充分圏内!」というAランクから、もうひと頑張りのB、…といった感じのフィードバックがもらえます。
説明会やイベント等、春も開催されているのでぜひチェックしてください。
多摩地区で一番早い!オンライン授業
今回話を聞いてすごい!と思ったのは、オンライン体制の対応の速さです。
「いつ何時なにがあっても、オンラインができるような体制になっています!」と先生も誇らしげに話してくださったのですが、「休校期間マニュアル」もコロナ禍の最初の段階から作って整備したそうです。
ちなみに…多摩地区で一番早くにオンライン授業を始めたのが八王子学園だそうです。
もうずいぶん前のような気がしますが、一昨年の4月、一斉に休校になった時期がありましたよね。
そのとき、公立と私立の対応差の違いはニュースにもなっていました。学校によっては2か月も何も指示もなく混乱状態…というところもありました。
けれども八王子学園は、緊急事態宣言が出た5日後(しかも土日も挟んで)には動画配信を開始したそうです。
このスピード感、先生方の熱意と団結力が無いと不可能ですよね。
ICT担当の先生がコロナ禍の初期の段階からもう下準備をして、3月23日終業式後から一週間で仕組みを作り上げたそうです。
そして緊急事態宣言が始まる前の二日間で、動画の取り方などの説明を先生方にレクチャーし、先生全員がオリジナルで動画作成したものを配信した、ということなので本当に驚きです。
さらに、一方通行の「視聴するだけ」にならないよう、リアルタイムで書き込めるGoogleノートを使って、双方向の授業をかなり早い段階から取り入れていたようです。
気になるPTA活動は…?
PTAについてはガチガチに堅い雰囲気ではなく、和やかでゆるく(ゆるく、という言い方が合っているかどうか分かりませんが💦)集まっているようです。
また、PTAとは別に、イベントサポーターという役目に選ばれた「保護者による保護者説明会」というイベントが開催されています。
なお、イベントサポータ―として活躍なさっているパパさんもいるようですよ!
PTAや学校行事は、今やパパさん率も高いですよね。
八王子学園に通って良かった!
クラス全体や生徒のみなさんの雰囲気は学年によってさまざまなようですが、熱心に部活動に励んでいる子や、授業中に質問とかも積極的にできる子は、特に充実していると、見ていて感じるそうです。
三者面談でも、保護者の方からも「すごい楽しんでいます(*^-^*)」という話が出るのは、上記のようなタイプの子のようです。
一貫クラスでも楽しそうに通っている子が多く、東医クラスへ移る基準をクリアしているにも関わらず、クラスが楽しいからと「あえて移らない」選択をする子もいるくらいだそうです。
そして八王子学園といえば、アツい体育祭が有名です。
学年の委員に全部任せているそうで、学生が主体となって運営しています。
始めは先生主体でやっていたのですが、ここ5年くらいで生徒主催の体育祭の土台ができあがって、今の形になったとのこと。
ちなみに、エスフォルタアリーナという屋内体育施設で行われるので、保護者にも好評のようです(紫外線対策の意味で)
ズバリ!魅力とはどんなところ?
このブログは、公立中高一貫校が第一志望という読者さんがほとんどなので、どうしても私立=併願、ということになりますよね。
もちろん第一志望の都立で桜咲く🌸のが理想ではありますが、残念ながら一歩及ばず、合格を貰った私立に進学するか、地元中学へ通って高校リベンジするか…というパターンも想定しておく必要があります。
こういう「プランB・プランC」を事前に考えるのは楽しいことではありませんが、あらゆるケースを考えて備えられるのは、保護者の方だけです。
悩んだときの検討材料の一つとして、八王子学園の魅力を聞いてみました。
魅力その①目的を失わせないこと
第一志望に落ちてしまった子の場合、頑張る目的を失ってしまっている場合があります。
しかし八王子学園は、「入学後の目標が作りやすい学校」だと感じました。
勉強面でいっても、一貫クラス→東医クラスを目指したり、
東大・医進クラスに入った場合、特待のランクアップやテスト、
勉強以外には部活も充実していますので、部活での目標や、委員会活動など…。
どこかで目標となるものを作るものができますし、自分の居場所が必ずあるというところが、魅力のひとつかと思います。
魅力その②人間関係の広さ
高校になると、外から入ってくる子がものすごい人数います。そういう子たちとの新しい出会いも魅力的です。
八王子学園は今までは、中学からの約100名と高校から入ってくる約400人を混ぜていなかったのですが(部活や委員会等の交流は別として)、今後は高校2年生から、自分の進学目標に合わせてクラス選択できるよう再編されるので、さらに人間関係が広がるのではないかと思います。
魅力その③取りこぼさない&伸ばしきる!フォロー体制
受験をして中高一貫校に入ると、小学校のときよりもはるかに成績維持が難しくなります。
これは当たり前のことかもしれませんが、私自身はすごく苦労した思い出があります…。小学校までは自分は勉強が得意だと思っていたのですが(だから受験自体は楽しかったです)、私立中学入学後に定期考査で中の下、何なら下の下…という経験をして、自分の力不足を認めて奮起するまで非常に苦しい思いをしました。(中学受験による燃え尽きもあったので、尚更でした)
そのため、苦戦している子達・中学受験で燃え尽きてしまった子達をどうフォローするのか、、は、個人的に気になるところでした。
八王子学園では、単元ごとに行われる小テストが振るわなかった場合は、再テストを受けて、それでもだめだったら、その場でもう一度先生が教えるそうです。
そしてもう一回テストやって…という繰り返しによって、消化不良を残さない仕組みを取っています。
なお、それでも不安があったら、「基礎力養成授業」というものに呼んで、その学期に習ったことを何日間かかけて担当の先生が復習をサポートします。
面白いことに、呼ばれなかった子も参加してよい仕組みになっているそうで、自主的に参加する子もいるそうです。
上の子だけにフォーカスして華々しい進学実績を出す私立中学も多いので、こうやって「取りこぼさない」体制があるのは、とてもありがたいことだと思います。
また、成績が安定している子に関しては、中だるみをさせないような工夫もあるそうです。
八王子学園では、高校一年生からZ会の添削システムを超破格で受けられるシステムがあるのですが、「中3の成績と模試で結果を出した人しか受けられない」と宣言して目標設定をさせ、中だるみをさせない体制になっているようです。
近場の目標ができることで緊張感も保てますし、目標設定と得られるものがはっきりしていると、頑張りがいもありますよね。
ところで、「東大・医進クラス」というネーミングから、「がっつり東大・医学部を目指すクラス!」と思いがちですが、実はそうではないようです。
東大や医学部という高い目標を掲げられるくらい質の高い学習環境が整っている、という意味で東大・医進という名前を付けているそうですが、それを強制するものではないですし、一方、頑張っている子たちには、ちゃんと目標が達成できるようなフォローアップをしていると感じました。
中学生・高校生にとって、「付いていけないのに放置されていること」と「もっと頑張りたいのに挑戦する場がない」ことは、どちらも非常にもったいないことです。
八王子学園はホームページの記事を見ていても思いますが、学業や部活動で頑張った子をフルネームで紹介しているんですよね。
これは、先生方が一人一人の生徒を誇りに思っているからこそだと思います。ちょっとしたことかもしれませんが、「見ているよ」「大事な一員だよ」と扱われていると感じることができると思います。
特色のある「探究ゼミ」とは
八王子学園では、探究ゼミという、自分の興味のあることについてとことん調べられる時間が週に1回あります。
それぞれ中1は地元八王子について、中2は修学旅行で訪れる広島・奈良・京都について、中3は語学研修先のオーストラリアについて、学びます。
年度の後期は、17個の講座が立ち上がるのですが、これがまたユニークなんです。
例えば「法を学ぶ講座」「株について」「SDGsにからめた講座」「ライフワークを考える講座」、そして「究極のラーメンを作る!」など…。
探究活動は、最近はどこの学校も熱心に取り入れていますが、八王子学園では六年前からすでに始まっていたそうです。
後期の探究ゼミでは、学年のくくりも無く、上下の学年の生徒との交流にもなるので、人間関係も広がりそうですね!
また、年ごとに講座も変わるので、どの講座を選ぼうか、考えるとワクワクすると思います✨
まとめ(写真紹介)
まずは校門から校舎を眺めたところ。
この圧巻の風貌、すごいですよね。校舎の中も企業や大病院のような雰囲気のつくりだと感じました😲
次に、中庭。管理人さんのような方が何名かいらっしゃって、温かく迎えてくださいました。
次は、職員室近くの廊下にある学習スペースです。
ホワイトボードが付いているのはいいですよね、教える立場から見て、質問対応がしやすい作りだと思います。
先生と生徒がものすごく距離が近くて、歩いていても先生に話しかけてくる子が多いんですよね。そしてこんなにたくさん生徒がいるのに、先生が一人一人よく知っている様子で、何かしら振る話題があることにもびっくりしました。こんな明るく風通しがいい中高一貫校に通いたかったです。
次は、進路指導室です。
赤本を広げていたので、てっきり高3生かと思ったのですが、高2の生徒さんということでびっくりしました😲すごいですね。
学びたいことはとことん学べる環境があり、そして頑張るチャンスが等しく与えられる学校だと感じました。
説明会だけでなく、授業見学や探究ゼミの見学など、ぜひお子さんと一緒に足を運んでみてください(^^)!