100人以上の受検生を進学塾の講師として見てきた経験からお話しすると、合格した子のうち、3割くらいでしょうか。おそらく塾に来ていなくても、家庭学習をしっかりできていれば受かったであろうと思います。いわゆる、「地頭が良い」という子たちですね。
残る7割は、学校のクラスではかなり上位にいるけれど、公立中高一貫校の高い倍率を突破するにはまだ届いていないかな?、という子たちです。そういう子にきちんと勉強させて合格確率をかぎりなく100%に近づけるのが講師の役割です。
そのため、説明会などで「いままで合格していった子は、全員本当に塾が必要だったのか?」と質問されると、「3割の子には不要だった」と回答しています。
ではさっそく、塾が必要かどうか見極めるポイントをあげていきましょう。
過去問を解いてみる
まず、志望校の過去問を解かせてみましょう。制限時間をきっちり測って、本番と同じような環境で緊張感をもって取り組ませてください。
このとき、本番で使われた解答用紙を使うようにしましょう。ほとんどの学校がホームページに白紙の解答用紙を載せていますので、プリントアウトして使ってください。
本番では、決められた白い枠の中に答えを書き、多すぎても少なすぎてもいけません。その感覚を見るためにも、なるべく学校の解答用紙を使うようにしましょう。
採点は、保護者の方が行ってください。適性検査は記述式が多く、答えが1つとは限らないので慣れていない受検生が採点するのは最初はちょっと難しいかと思います。
保護者が採点して、「5割は取れているかな」と思うのであれば、合格するために必要な基礎の部分は充分に持っている子です。あとは受検までしっかり家庭学習で取り組めば合格圏内にもっていくことができるでしょう
保護者が学習のサポートをすることができる
公立中高一貫校の受検は、保護者のサポートが不可欠です。志望校の過去問を何年分もさかのぼってコピーして取り組ませたり、子どもが自己採点したものを大人の目でもチェックしたり、作文の添削をしたり…といった細かい指導が必要です。
もちろん塾に通うのであれば、講師がその役割をする訳ですが、通わないのであれば保護者の方が監督の役目を担うことになります。
最低でも平日2時間、休日5時間の親子学習時間を取れるのであれば、塾は必要ありません。
中学受験経験のある方や、弱点対策など戦略が得意な方であれば、とても有利だと思います。
適性検査に慣れさせることができる
「【公立中高一貫校】塾に行くより効果的なたった1つの方法」でも書きましたが、合格するために唯一必要なのは、とにかく適性検査に慣れることです。
適性検査は同じ題材をあの手この手でぐるぐる使いまわしているだけなので、解けば解くほど有利になっていきます。
まずは志望校と似たランクの学校を30校選び、片っ端から数年分解いて、終わったら次はさらに上のレベルの学校を解かせて…と、受検日から逆算して計画を立てる必要があります。
その過去問選別と計画を立てることができれば、かなり余裕をもって合格することができるはずです。(ほとんどの受検生は塾に通っていてもその段階にたどり着けません…)
まとめ
公立中高一貫校合格のキーワードは、基礎学力と慣れです。
合格=基礎学力+適性検査の慣れ
家庭学習だけでこの公式が成立するのであれば、塾は必要ないと私は考えています。
実際に塾に通わず合格したお嬢さんを知っていますが、お父さんが戦略的に過去問をピックアップし計画表を立て、あとは市販の参考書とスタディサプリだけで見事に都立白鷗に合格しました。
塾に通わせるかどうかは3つのチェックポイントで見極めて、あとは塾や通信講座を上手に利用して合格へ導いていきましょう!