公立中高一貫校の適性検査、保護者が添削するのはなかなか難しいですよね。
某オンライン講座でも、教材は出来上がったけど添削できる人材がなかなかそろわず、結局リリースが1年伸びた、という話を聞いたことがあります。
そのくらい、適性検査の添削というのは技術が必要ということですね。
公立中高一貫校の合格を目指すなら、過去問演習がとにかく重要ということは「塾に行くより効果的なたった1つの方法」という記事でもお伝えした通りです。けれども、解けばいいという訳ではありませんよね。重要なのは、添削によって弱点を見つけ出し、その後の振り返りに生かすことです。
塾に通っているなら、解答用紙を講師に渡せばもちろん添削してもらえるはずですが、通っていない場合は家庭で何とかするしかありませんよね。(塾通いをススメている訳ではありませんよ!)
また、塾に通ってはいても、過去問演習の数をこなすのは家庭学習任せ…という塾も多いと聞きます。その場合も、やはり家庭での対応が必要になってきます。
適性検査の「添削」というハードルを下げる
まず初めにお伝えしたいのは、「100%正確な採点をしなくていい」、ということです。
「添削」というと言葉が固いので難しく聞こえますが、「子どもの学習具合をチェックし、点数という見える形にする」だけのことです。お子さんが低学年の時、小学校のドリルなどの採点を手伝った経験があると思います。それが記述式になっているだけのことです。
最初のうちは、「うーん、これはマルかな、こっちはサンカクかな?」と試行錯誤しながらの採点になるかと思います。でも、大丈夫!
最初はあまり精度にこだわらず、とにかく親子で量をこなしてください。
子どもは解く、親は採点する、そして親子で振り返る。これを繰り返していくうちに、段々とコツをつかんでパパっと採点できるようになってきます。
たとえばですが、配点15点の問題で、「半分くらいはマルもらえそうだな」と思ったら、8点加点!というくらいのザックリさで大丈夫です。
ただ、結果はちゃんと「65点」というように1点単位でつけてあげてください。それだけでも「家で試験を受けている」という緊張感が生まれます。「大体6割くらい取れたね~」はNGです。
慣れないうちは添削に自信が持てないかも知れませんが、とにかく量をこなすことです。塾講師は添削のプロでもありますが、それは、何か特殊な勉強をしたからではなく、何年もの間、日々添削し続け、何百枚、何千枚という解答用紙を添削してきたから自信があるだけなのです。
科目で共通する採点方法
世の中には加点法、減点法といった言葉がありますが、適性検査は、「加点法のち、減点法」で採点するのがベストです。
公立中高一貫校は、部分点や採点方法についてなど、細かい情報をアップしていません。(だから余計に悩むんですよね…!)ですが、「加点→減点」法で間違いないと私は考えています。
算数系問題
算数系が一番難しいかも知れません。「どう考えて答えを出したか?」を書かせる記述式は、採点が難しいですよね。
たとえば配点15点の問題なら…
- 書いた方法で正解にたどりつく→15点加点
- 問題文に書かれた条件を満たしていない→10点減点
- 文章が解答欄に対して短すぎる・長すぎる→3点減点
- 誤字・脱字→1字につき1点減点
理科・社会系問題
理科・社会系は、答えが1つとは限りませんよね。大人が考えて常識的な解答であればOKです。
たとえば配点15点の問題なら…
- 常識的に考えて整合性がとれている→15点加点
- 問題文に書かれた条件を満たしていない→10点減点
- 「読み取った事」「その理由」が理路整然と書かれていない→5点減点
- 解答欄に対して長すぎる、短すぎる→3点減点
- 誤字・脱字→1文字につき1点減点
「グラフAと表Bを使って」といった条件をきちんと読んでいるか、また、「その条件を使って書いたよ」というのがちゃんとアピールできているかが、チェックポイントです。
作文系問題
作文は、お子さんの作文レベルが上がってくると、大きな減点は無くなってきます。誤字・脱字のチェック程度になるので、添削も楽になってきますよ!
- 全体的に違和感のない文章(明らかに常識はずれ・誇張がない)→7割加点
- 序章、本文、結論と構成にまとまりがある→1割加点
- 出題の意図(問題文とリンクした作文になっている)→2割加点
- 条件を満たしていない→1条件につき10点減点
- 作文のルールが守られていない→1か所につき3点減点
- 誤字・脱字→1文字につき1点減点
④の条件というのは、たとえば「○○字以上△△字以内」といった字数制限や、「具体例を入れること」、「作者の意図に触れながら」など、問題文に書かれた条件です。
この条件をきちんと守っていなければ、ガツンと点数を引いてください。(心を鬼にして!)
まとめ
今回は、家庭学習における適性検査の採点方法についてお知らせしました。
公立中高一貫校は、家庭学習が本当に重要なカギです。お父さん・お母さんが精度の高い採点ができるようになれば、他の受検生と大きく差をつけることができます。
でも、やるからにはちゃんと記録に残してくださいね。学校ごと、年度ごとの得点ノートを作るのもいいアイデアです。(都立武蔵を受ける女の子のパパさんで、採点結果をすべてエクセルに入力してグラフ化した方もいました(笑))
ケイティ式にも書いていますが、「努力の記録を残す」という仕組みはモチベーションを保つためにも非常に大切です。継続してくださいね!
長くなりましたが最後にもう一つだけ!ケイティからのお願いです。