こんにちは、公立中高一貫校合格アドバイザーのケイティです。
最近、新たにInstagramを始めまして、おかげさまでこのブログに来てくださる保護者の方が増え嬉しい限りです。ありがとうございます。まだ見てない!という方は、ホーム画面右上のアイコンからどうぞ(^^)
ブログの内容をギュッとまとめているので、ケイティ式の目指すところ(受検で区切られた学習をさせないこと、人生で味方になる地頭を鍛えること)など、ご理解頂けるのではないかと思います。
前置きはここまでで…。今回は、都立中高一貫校の内情について、書いてみたいと思います。
公立中高一貫校を受検するとなると、気になるのは学校の評判や校風ですよね。ホームページなどの情報だけだと、どうしても「かっこいい面」しか公表されておらず、「実際どうなの?!」というのはなかなか分かりません。
今回は、某都立中を卒業したケイティの元生徒にインタビューしてきました!なんと現役東京大学生です。
今回のインタビューは、個人の特定を防ぐため、学校名や性別・年齢を伏せさせて頂いています。でも、そのおかげでかなり生々しい話を書けたのではないかと思います。(東大合格実績のある学校となると、ある程度絞られてしまうかと思いますが・・・)
で、どこの学校なのよ!と歯がゆく思われてしまうかも知れませんが、参考程度に見ていただければ幸いです。要は、「入ってみなきゃ分からないこともあるのね」ということが伝われば良いなと思っています。
ぜひ、今後の家庭学習や受検対策の参考にしていただければと思います。
小学生の時の印象は?
私立受験クラスも含めるとこれまで受け持ってきた生徒は100名以上いますが、その中でも際立って頭の良い子でした。
ただ、「偏差値が高い」という意味の頭の良さでは無いのです。その子よりも高い偏差値の子はたくさんいましたが、何というか、飲み込みがめちゃくちゃ早いのです。
1を聞いて10を知る、というタイプですね。そして1のアドバイスで10の結果を返してくれるような、素直で熱心な子でした。
活発でスポーツも得意だったそうで、男女から慕われる明るい子でした。
都立中に入学して驚いたことは?
高校入試から入ってくる先輩達とのレベル差ですね。都立高の入試レベルは決して高いとは言えないですよね。だからこそ、中学入試組と高校入試組とのレベル差を非常に感じました。なんというか・・・服装からしてチャラいなと・・・。
たしかに、これは中高一貫あるあるだね。ケイティは私立の中高一貫校出身で、高校入試で30名ほど入学してくるんだけど、中学入試組との間にある目に見えない溝は深かったな。「か、髪染めてる!怖い!同い年なのに!」って感じてたなぁ・・・。
でも、併設型(中学受検と高校入試と両方行う学校のこと)の都立が、今後は高校入試を廃止する方向らしいよ。
その方が絶対良いですね。中高一貫は6年間通してこそ、しっかり学習するメリットがありますから。
6年間という「中等教育型」に絞った方が、大学実績のパーセンテージも底上げされるはずですよ。賛成です。
都立中の学校設備はどう?
エアコンなども当然きちんと整備されていて、不便に感じたことは全くないですね。私立と変わらないのでは?と思います。
校舎の作りとしては、やはり都立らしい古さを感じます。よく言えば、「THE 学校!」という作りですよね。どの階にいてもまったく同じ廊下というか。
あと、地域の避難場所になっている割には体育館へのアクセスが悪いんじゃないかな〜と感じます。
都立中の教師陣はどうだった?
割とあっさりした先生が多いように思います。熱血!という感じではなくて、こちらが求めれば手厚くサポートはしてくれるけど、何も求めなければ何も得られず6年間が終わってしまうんだと思います。
他の都立中高一貫との交流はあった?
まったく無かったですね。意識したことも無いですね。ただ、部活によっては、交流があるところもあるかも知れません・・・。
都立って学校のイベントは盛り上がるの?
正直、盛り上がってませんでした(笑)一部の実行委員だけが頑張って体裁は整えますが、予算も少なく、学校全体で力を入れているようには思いませんでした。それよりも、勉強をしっかりした方がいい、という意図を感じましたね。
体育祭も、休み明けの最初の週に開催されたりして、練習らしい練習をした記憶がないです。
この辺は、校長先生が変われば方針も変わるかも知れませんが・・・。
都立の上下関係ってどうでした?
うーん、他の学校のことを知らないから何とも言えないですが、普通だと思います。厳しくもなく、ゆるくもなく・・・。部活の上下関係はありますが、それだけですね。部活以外で上下の接点はありませんでした。
たまに用があって下の学年の階に行くとザワつく程なので、ほんとに接点は無かったと言えますね(笑)
都立の部活動ってどんな感じ?
基本的にどの部活も、基本は「勉強優先」です。学校の行事と部活の行事だったら、学校行事の方が優先です。
でも、顧問によっては、「やるからには結果を出そう」という考え方の部活もありましたが、少数派でした。
ちなみにどちらのタイプの部活でした?
「部活優先派」の顧問でした(笑)だから、大会のために学校行事を一度ちゃっかり行かなかったことがあったのですが、全然関係ない先生たちから相当チクチク言われましたね・・・。そんなこともありました。部活が好きだったから、気にしませんでしたが(笑)
都立中の校風や雰囲気は?
すごく自由でしたね。風通しが良かったと思います。勉強さえしっかり出来ていれば、あとは干渉しない、という暗黙のルールがありました。在校中にネットアイドルで有名になった人もいましたよ。
先生たちは、過度なサポートは全然しないけど、留年しない程度の最低限のフォローをしてくれる、という感じですね。
すごい!ケイティの時代では考えられない自由さで、びっくりです。でも、その分、勉強しない子はとことん遊んでしまったりするのでは?
うーん、それは無かったですね。クラスのレベルは結構高かったです。「絶対敵わないな」と思う人が何人もいました。
クラス内でカップルとか浮いたそういう話はあった?
ほとんどなかったですね。自分が疎いだけかも知れませんが・・・。1学年に5組いたかどうか?じゃないでしょうか。
都立中に通う子のお金事情は?
公立中高一貫校の大きな魅力に、学費などトータルコストの低さが挙げられると思うんだけど、実際通っていた子達の金銭感覚というか社会的な層はどうだったかな。(下世話な質問ですみません・・・)
正直、ランクの違うお金持ちの子は、クラスの中に何人かいました。受検するには塾に通うなどお金もかかるので、ある程度水準は高いかも知れません。でも、うちは超平凡なサラリーマン家庭ですが劣等感を感じるようなことはありませんでしたよ。
たしかに、一目でブランドものだと分かる持ち物を持っていたり、昼食に平気で1000円使うような子もいましたが、一部の子だけです(笑)
都立中における大学合格実績について
東京大学合格者数を始め、国公立実績などとにかく注目されている都立中高一貫校の大学実績だけど、先生たちからはどのようなサポートがあったかな?
学校全体で一丸となってのサポート、というのは正直あまり感じないですね。そうではなくて、「(難関大に)受かりそうな子」「(難関大を)受けそうな子」を個別に狙い撃ちして声がけをしていると思います。
自分も、高校1年生の時に、「あなたは数学が弱いから、今のうちから外部機関に通っておきなさい」とアドバイスされたので。
外部機関とは?
予備校のことです。
先生が予備校頼みってこと??それって・・・どうなの?
正しいと思いますね。東大を始めレベルの高い二次試験を実施する大学は、学校の授業だけでは私立でも難しいですよね。その点、受かる可能性がある子の弱点を見抜いて、早く予備校に誘導するというシステムは合理的です。
なるほど・・・。たしかにそうかもしれない。でも、予備校にいくようアドバイスしたあとは何もしてくれないの?
そんなことないですよ!実際、お世話になった先生が最後までしっかり支えてくれて、そのおかげで東大に行けたんだと思います。それに、専攻分野を決めるときもその先生のアドバイスが非常に役に立ったんです。
ということは、まとめると・・・。
都立中高一貫校は、自分から熱意を持って学習に取り組んでいれば手厚くサポートしてもらえる。
しかし、難関大を受けるのであれば高校の数年間は予備校に通うケースもあり(=予備校の費用がかかる)、ということかな。
そうです。ただ、自分は目指したのが東大だったので特殊かも知れません。。
では、ここからはタイムスリップして、六年生の時にどうやって合格を掴み取ったか、聞いていきたいと思います。
都立中の受検勉強を始めたのは?
六年生からですね。四年、五年は地域の学習塾に週に1回通ってましたが、遊び感覚でしたね。どんどん解ける分野が広がっていく感覚は面白かったです。
そして本格的に受検勉強をしようと思い、六年生から転塾しました。
で、ケイティとご対面と!
そうですね(笑)進学塾には、自分よりもっと賢い子がたくさんいて衝撃でした。
過去問はどのくらい解いた?
銀本を2年分、北から南へ(つまり目次順)どんどん解いていって、終わったらもう1周しました。都立については、さらに何度もやりました。
そうだね・・・。あとにも先にも、都立の過去問の答えを全部暗記した子はあなただけでしたよ。
え?!そんな小学生だったんですか?!我ながら気持ち悪い・・・(笑)
銀本は、一校ずつ終わらせていくのがゲームみたいで面白かったですね。ポケモンを集めるのとか、好きなんですよ。それと同じ感覚でしたね。「よっしゃ!東北制覇!」っていう風に楽しみながら取り組んでいました。
過去問演習が、ポケモンと同じとは・・・。恐ろしい小学生ですね。でも、そのくらいの遊びゴコロがあったから最後まで楽しく取り組めたのかも知れないね。
都立中受検にあたって、保護者からのアドバイスは?
勉強のアドバイスは、受けた覚えがないですね。自分は何か言われると「ほっといて!」と逆ギレする子だったので・・・当時は反抗期だったのもあり(笑)その分、意地でも良い点数取らなきゃ格好がつかないと思っていました。
今でこそ分かることですが、塾の費用や日々の塾への送迎とお弁当、それから塾から帰った後の夜食など、お母さんのサポートがすごくありがたかったんだと思います。
父からも特に勉強について何か言われたことはないですが、すごく読書好きな父で、小学校二年生くらいからすすめられて司馬遼太郎をよく読みましたね。こういう読書体験が、のちのち非常に適性検査の役に立ったと思います。父の本棚からしょっちゅう借りて、何百冊と読んでいました。
そんな父の影響もあり、バラエティ番組は一切興味がありませんでした。NHKとニュースくらいしか見なかったですね。同級生と話しが合わず、冷たくされたこともありました(笑)
受検勉強で心がけていたことはある?
「わからない問題」を絶対残さない、というのは徹底しましたね。つまづいた分野については、一度理解したあとも「解き直しリスト」に入れておいて、最低3回は日を改めて一ヶ月後とかルールを決めて解き直しました。
模試は、解説授業の後と、結果が返ってきた時と、その2回のタイミングで解き直しをしていました。
受検までの日数を逆算して、ざっくりと自分の中で計画を立てて取り組んでいました。
受検直前期のメンタルについて
やっぱり、不安定でしたよ。先生の前で泣いたことありませんでしたっけ?
あったね〜。一回だけ泣いたね。
あの時は、うまく言葉にできなかったんですけど、たぶん、「本番で訳が分からないうちに終わってしまったらどうしよう」というのがすごく怖かったんだと思います。
「落ちたらどうしよう?」という不安では無かったんだね。
はい、「不合格だったら」という考えは、受検が終わって自己採点した時に初めて感じたんです。
それがあなたの最大の強みだったかも知れないね。公立中高一貫校においては倍率が高いからこそ、「不合格」の恐怖にいかに打ち勝つかが分かれ道なんだよね・・・。
点数開示は?
やりました。平均すると60%弱でした。今まで取ったことのない低い点数だったので、本当に焦りました。生きた心地がしませんでした。
でも、入学後に聞いた話によると、繰り上げ合格になった子は50%台前半だったそうです。
最後に一つ。適性検査を通して得たものと、これから受検する子へアドバイスをお願いします。
公立中高一貫校の適性検査は、東大の入試問題とすごくよく似ています。「あなたはどう考えているの?」ということを、記述式で答えるんです。同じですよね。リーダーシップ能力、とかよく言うけどそれは一旦置いといて大丈夫。
あなただけの「持論」を求められるのは本当はすごく楽しいこと。自分は、「持論」を人に話すのが好きだったから、適性検査を解くのもすごく楽しかった!
「なんでかな?」「どうして?」「自分だったら」と考えるきっかけは日々の生活の中にたくさんヒントがあるから、いつも自問自答するクセをつけるといいと思います。がんばって!
まとめ
今回は、ある都立中高一貫校を卒業した元生徒へのインタビューをお送りしました。
これはあくまでも一個人の(一方的な)意見であること、そしてすでに卒業しているため現在の校風とは必ずしも一致していない可能性があることを、重々ご理解いただきたいと思います。
その上で、この記事が何かしらのヒントになればうれしいです。
また、「こんなの聞いてみたい!」という質問がありましたら、お気軽にお問合せからメッセージくださいね。もちろん、「こんな記事書いて!」というネタ提供も大歓迎です(笑)
ケイティでした♪