【対策】適性検査

都立中高一貫校【共同作成問題】2019年傾向と対策

こんにちは!公立中高一貫校合格アドバイザーのケイティです。2019年度の受検が今年もおこなわれ、大急ぎで分析を続けています。

ケイティ
ケイティ
毎年この時期は全国の適性検査に埋もれながらなんとか生きている状態です

この記事では、特に人気の高い都立中高一貫校の【共同作成問題】について今年の傾向を分析したいと思います。解答例についてもアップしますね!

都立中高一貫校には、2種類の問題があります

  • 共同作成問題…都立中の中で、同じ問題を使います
  • 独自作成問題…各校が独自に作成した問題を使います

難易度としては、どうしても独自問題の方が高くなります。

なぜなら、独自問題は「このレベルが解ける子に来てほしい!」という学校の熱意と希望がアツく詰まっているからです。そのため、特殊な問題や骨のある問題が多くなります。

逆に共同作成問題は、上位校だけなく中堅校も使用するため、どちらかというと「オーソドックスな問題(=ひねりのない問題)」です。

この共同問題をしっかり押さえて得点源にすることが、勝利への鍵となります。

ということで、今回は2019年の都立中【共同作成問題】の傾向と対策をお伝えします。来年以降受検するご家庭の参考になれば嬉しいです。

都立中高一貫校の独自問題については【都立中高一貫校】2019年【適性検査・回答速報 】という記事でご紹介したので、チェックしてみてくださいね!

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共同作成問題【大問1】

用紙を切ったり折ったりして、向きを考える問題です。

問1:紙を折ってその向きを考える

問1は、単純に向きを考えて書くだけの問題で、「あれ?」と思ったら問題文中の例で出ている絵に無理やり書き込めば答えがわかります。

適性検査の図形問題は、会話文中に例で載っている絵に書き込めば答えが出ることがあります(そのための大ヒントとして絵が載っています)。使えるものは何でも使いましょう!

答えは5種類あります。実際に紙を切って書き出してみてください。(本番ではできませんが!)

この問1に関しては五年生でもできる問題です。

ケイティ
ケイティ
上位校(検査3を実施する学校)を受けるのであれば、5通りの答えを書き出して、どのような規則性があるか、自分の答えで書き出させましょう。規則性を見つける訓練になりますよ!

問2:異なるルールの特徴をとらえる

マス目を白・黒で塗り分けて、それを2つのルールに沿ってあらわす問題です。

この問題も、問題文に載っている図に直接書き込めば答えが出ます。

五年生でも解けるはずのサービス問題ですが、とにかく会話文・説明が長く、問題の意味を理解するまでに相当時間と労力を使います。

いかに早く理解しながら読み進められるかが鍵です。

ケイティ
ケイティ
問題に到着するまでが長すぎて、頭が混乱するタイプの問題です。落ち着いて読めば難しくはないので、常に制限時間を設定して過去問演習に取り組んで訓練しておいた方がいいでしょう。

問3:プログラミング的思考の問題

以前、このブログでお伝えしたプログラミング的思考の問題が早速出題されました!

ケイティ
ケイティ
予想通りの問題が本番で出ると、この仕事をやってきて一番嬉しい瞬間です(泣)

プログラミング的思考で差をつけるという記事でお伝えしたおすすめアプリと、ほぼ同じ問題ですね。

今後プログラミング授業が必修化になる影響もあり、都立中はますますこういった問題の傾向は強まることは間違いありません。

ケイティ
ケイティ
来年度受検に向け、動画でもプログラミング的思考問題の対策を強化していきますね!

問3の解法に話を戻すと、

  • 最大で2マスしか連続して動けないこと
  • 「曲がる」カードは、【その場で】方向転換すること

がポイントです。この2点を押さえた上で、あとは実際にどんどん手を動かして図に書き込んでいくと答えを出すことができます。

共同作成問題【大問2】

ここ数年非常によく出ている「外国人観光客の増加」に関する問題です。

オリンピックに向け、今後も出題の可能性はとても高いです。

「外国人観光客増加」に関連する「影響」「効果」「トラブル」「地域」に関するニュースは積極的に収集しておいてください。

問1:「何倍か」を計算する問題

単純な割り算問題です。ただ、「整数で」と指定があるのでここを読み飛ばすと悲劇です・・・。

割り算問題は、「整数」なのか?「小数なのか?」その場合、「小数第何位までなのか?」という指示に必ず線を引きながらとくクセをつけておくといいでしょう。

問2:外国人観光客への対応

この問題には4つのグラフ・1つの地図・3つの表が使われ、導入である会話文が3ページに渡って続いています。

けれども、この問題は、グラフ(資料)読み取り問題ではありません。

これは、「受検生の制限時間を削るため」に設置された問題です。

問題文は8ページ目から始まっていますが、10ページ目の表2・3だけをみれば答えが出ます。

つまり、8ページ、9ページの4つのグラフや地図は見る必要は一切無い、ということです。

都立中では、このような「制限時間を奪いにかかる問題」が巧妙に設置されています。

お子さん向けの動画で、この落とし穴についてはお話ししました。

(まだ動画編集に慣れていない頃なので、撮り方が下手ですみません…そして音小さくてすみません…今年の分析が落ち着いたらYouTubeを強化しますので、機械オンチのケイティを温かく見守ってください(泣))(2019/2/10追記しました!↓に新しく動画アップしています)

問題文から逆算して、必要なところだけをピックアップして即次の問題へ進めるような、機転の速さ・柔軟性を見極めるための問題です

観光客が増える地域の取り組みを聞かれている問題ではないのです。巧妙ですよね。

こういう問題が隠されていることを知っている受検生は、3分の1の時間でこの問題を解くことができたはずです。

ケイティ
ケイティ
こういう裏のコツをYouTubeでは引き続きお伝えし続けていきます!

【追記2019/2/10】YouTubeリニューアル完了しました!この「適性検査の落とし穴」について早速アップしたので、ぜひお子さんとご覧ください♪

問3:案内用(地図)記号の役割

サービスすぎるサービス問題です。

下線の直前に「子供から高れい者まで」と大ヒントまで載っています。あとは、ヒントを軸にして

「子供になぜ役立つか?→漢字が読めなくても理解できる!」

「高れい者になぜ役立つか?→小さい文字による説明ではないので、見やすい!」

といった答えを作ることができますね。問題文が答えを誘導してくれているようなものです。

こういったサービス問題が最後に来ることも多いので、何度もお伝えしている通り、「戦略」が本当に大切なのです。

動画でもおつたえしました。

書けば5点・10点もらえるサービス問題があるというのに、時間が足りずにたどり着けない受検生が本当に多いのです。

これは厳しい言い方ですが、家庭学習で過去問を何十校と解いて場数を踏んでいれば、身に付いていたはずです。(もちろん制限時間を決めて)

まず始まったらザっと最後までページをめくって全体量を把握すること。

そして限られた時間の中で取れるところは絶対落とさないこと。

「たった1点」で何人もゴボウ抜きできるのが都立中高一貫校です。

だったら、サービス問題の10点がどれだけ貴重か、分かりますよね!

共同作成問題【大問3】

理科系の問題ですが、理科の知識がなくても解けるものばかりです。良心的な問題と言えますが、最終の問3までたどり着く時間が残っているかどうかが分かれ道ですね。

問1:割合を計算する

単純な割り算です。

ただ、計算が苦手な子は、「小さい数字を大きい数字で割る」ことに非常に抵抗がある子がとても多いです。

たとえば、「0.2÷0.8」のような問題です。「0.8÷0.2」は出来るのに、「小÷大」に違和感をおぼえる子が結構います。

これは当たり前といえば当たり前で、日常生活では基本的に「大÷小」ばっかりなんですよね。「10個のお菓子を2人で分ける(10÷2)」という風に。

なので、どれを何で割ればいいんだっけ?と焦った時に、無意識に「大÷小」を選んでしまう子がいます。それがたまたま正解だといいのですが、そうでない場合は間違った答えしか出ませんよね。

割合に関する計算問題は必須なので、ドリルタイプの参考書で日々「数的感覚」をトレーニングしておきましょう。

問2:紙の繊維の向きを考える

実験を2つも行っているので、導入が長くパッと見た感じは難しそうです。

このように3つの選択肢から1つ選び答えを書く問題は、

「一番答えやすそうな選択肢を見極める」ことが大事です。

面接をイメージしてください。面接官が3人いて、

①ムキムキマッチョなコワモテのお兄さん

②明らかに日本語が分かっていなさそうな外国の方

③優しそうな「歌のお姉さん」のような女性

この3名から選べるとしたら、まぁ③を選びますよね。

それと同じ「見極め」を適性検査でも使うことができます。

たとえば実験2で結果の出ていない新聞紙(つまり説明しづらい)と、

実験3で結果の出ていない工作用紙(つまり説明しづらい)、

この2つは答えが作りづらい「ハズレ」の選択肢です。

ということは、残りは1つしか選択肢が残りませんよね。あとは書くだけです。

「とにかく楽をする」ことが次の問題に使える時間の余裕を生み、そして点数に繋がります。これも適性検査の大切なコツですね。

問3:実験の結果によって方法を変える

「おもり」「g」といった物理系の単語が出ると、思考がストップする子がいますが、実は非常に簡単な問題です。

たとえばシーソーをイメージさせると理解しやすいと思います。

片側に乗る人が多すぎると、もう片方は上がってしまいますが、人数を減らすとちょうどよくなりますよね。

要は、重ければ減らす・軽ければ増やす、と、これだけの問題です。

ケイティ
ケイティ
(1)はDでも正解になりますよ!

【都立中高一貫】共同作成問題2019年のまとめ

今回は、2019年度都立中高一貫校の、共同作成問題について傾向と分析をお伝えしました。

恐れずにとにかく手を動かして書き込んでいけば、割と簡単に答えを出すことができる問題ばかりでした。

両国・白鷗・大泉・富士を受検した子の中では、検査Ⅱで9割近く得点する子も出てきたのではないかと予想できます。

ケイティ
ケイティ
今回に限っては、例年の「合格ライン」は全く意味をなさないかも知れません。

来年も同じ傾向で出題されるとするならば、

  • 見た目の難しさにだまされない!落ち着いて読めば簡単な問題が多いはず、と怖じ気づかないメンタルの強さ
  • 「制限時間を削りに来ている」問題に引っかからず、あっさりかわして次の問題へ移る取捨選択能力

この2つを意識するといいですね。

どちらも、何度も言いますが過去問を解いて身体に叩き込ませるしかありません。自転車や鉄棒と同じです。慣れれば必ず、自然とできるようになります。

今回の分析が、来年以降受検するご家庭のヒントになればうれしいです。

「こんな答えはどう?」という質問ありましたら、お気軽にメッセージを送ってくださいね♪

以上、ケイティでした!