こんにちは、ケイティです。今夜も古い過去問集をリビングの机に広げ、分析をしています。
塾講師になった約10年前はちょうど全国で公立中高一貫校が続々と開設しブームになった時代でした。以来ずーっと適性検査の面白さにはまって分析を続けています。
そんな適性検査大好き人間の私だからこそ、受検生を持つお父さんお母さんに自信をもってお伝えできることがあります。
ではさっそく始めていきましょう!
公立中高一貫校合格に欠かせないこと
合格に必要なのは、「適性検査に慣れること」ただこれだけです。
適性検査は出題範囲が幅広いため、基礎知識をつけるためにたくさんテキストをこなしたり塾や通信教育の宿題に追われたり、小学生とは思えないほど大忙しの日々を送っていますよね。
そうすると、目の前に積まれた課題をこなすのに必死で、「適性検査に慣れる」という本来の学習の目的が、多くの受験生の頭から飛んでいってしまうのです。
そんなバカな、と思うかも知れませんが、受検あるあるなのです。対策しないといけないことが多すぎる!とアップアップしているうちに直前期に入り、適性検査という独特の形にちゃんと慣れる前に本番を迎えてしまう子が、すごく多いんですよ。
ものすごく長時間がんばって学習したとしても、なぜか模擬テストで点が取れない・・・という子は、「適性検査に慣れる」という段階に入っていないのです。
塾にも落とし穴が存在します
実は、「木を見て森を見ず」状態には塾講師もおちいりやすいのです。
公立中高一貫校は人気なので塾のクラスも人数が多くなりやすく、「この子は基礎学力をつける段階か?それとも適性検査に慣れさせる段階か?」という個別の見極め(フォロー)まで手が回りづらい、というのはよくあることです。(その意識を講師がそもそも分かっていない可能性もあります)
また、塾もカリキュラムに沿ってテキストを進めないといけないので、通常の授業時間だけでは適性検査の演習に取れる機会はあまり多くはありません。過去問演習だけで授業時間が終わってしまうと、カリキュラムから遅れてしまうからです。塾では高いテキスト代を払うと思いますが、そのテキストがちゃんと終わらないとクレームになるので、やらない訳にはいかないんですよね…。
もちろん、公立中高一貫校に特化したテキストを使用していますが、あくまでも出題の傾向を知る役にしか立ちません。
結局、本番と同じような時間設定で適性検査の練習をするのは、家庭学習任せになってしまうことが多いのです。
「塾に通ったら安心」、は危険!
お父さんお母さんが受験生だった頃(中学でも高校でも大学でも)、試験といえば暗記!が一般的でしたよね。
暗記メインの受験勉強に比べると、適性検査はかなり特殊なので特別な訓練をしないと受からない、と考えてしまいがちです。だから専門の塾が大人気なワケです。「塾に入れたらもう安心、受検対策をバッチリやってもらえるはず!」と多くの保護者が思っています。
けれど、塾には塾の役割、家庭学習には家庭学習の役割(つまり過去問演習)があります。
私は、家庭学習に過去問演習の時間を押し付けるのが個人的に不安だったので、授業がない曜日にもわざわざ生徒に来てもらって無料の補習を行っていました。私自身のプライベートも削らないといけないのは大変でしたが、そうやって時間を作らないと公立中高一貫校の対策は到底終わらないのです。
通称「銀本」!過去問をそろえましょう
では、家庭学習で必要なものとは何でしょうか。
「銀本」は、必ず2年分以上は購入していつでも手に取れるようにしておいてください。
取り組み方は、「5年生から始めても合格できる!今日から始める『やることリスト』 」に書いた過去問の選び方を参考にしてくださいね。
志望校と似た偏差値の学校を片っ端からチェックして、何年分も解いていきましょう。
1日1校、土日は一日2校解けば、2ヶ月で100校近くの過去問を解くことができます。これほどの作業量は、塾だけでは到底手に入れられません。
銀本は1冊2500円ほどするので参考書としては少しお高いですが、真剣に受検勉強に取り組ませたいのであれば必ず2,3年分以上は手に入れてください。
公立中高一貫校に合格した子の共通点
私が女性の塾講師だったからか、なぜかクラスは8割女子だったのですが(笑)、その中でも合格した子に共通して言える特徴があります。
それは、過去問演習や模擬テストをやると、「あ、これ△△中で出てたやつと一緒だ!」と、すぐに過去の類題を見抜くことなんです。
適性検査は、同じ題材をあの手この手で10年間使いまわして出題しているだけなので、銀本を解けば解くほど、自分の中に「答え」がストックされていくんですね。
塾の補習授業の日にはカバンに2冊入れて持ってきている子もいましたし(重いのに!)、
銀本を小脇に抱えて塾に来て、「先生~!2010年版全部終わっちゃった~」なんてサラっというツワモノ女子もいました。
こういう子たちは、直前期になるとどの学校の問題を解かせても6~7割(※合格最低点の1.2倍以上!)は取れるようになっていきます。
正直に言ってしまうと、基礎学力があってさらに銀本演習をしっかり出来れば受かるので、塾は必要なくなっちゃうんですけどね…(汗)
公立中高一貫校に必要なこと【まとめ】
今回は、「公立中高一貫校合格に必要なのは『慣れ』しかない」という話をお伝えしました。
当たり前のことなのに、多くの受検生がその視点を持たずに日々の勉強に追われてしまっています。
「銀本」は適性検査に慣れるための唯一の手段ですから、しっかり揃えて日頃からチェックできるようにしてあげましょう。