こんにちは!公立中高一貫校合格アドバイザーのケイティです。
適性検査Ⅱについては、合同問題のため、コチラ⇓の記事を参考にしてくださいね!
首都圏模試の文章が出ました!
今回、受検生の中には適Ⅰ始まった瞬間ガッツポーズした子もいたかも知れませんね。というのも…
「多様性」はよくあるテーマなので、目星を付けた文章が見事に的中したようです。本番の数か月前(9月)に首都圏模試で出題された問題と同じ作品だったため、模試の解き直しを直前期にきっちりしていた子は「あれ?なんかこのタイトル見たような…」と気付けたかも?
(首都圏模試では、「ジャガイモ」のパートが、立川では「雑草」のパートが出題されていました。)
では細かく分析していきましょう。
「はずれ者が進化をつくる」稲垣栄洋氏より出題
ちなみにちゃっかり自慢(!)しておくと…
ケイティサロンで「出題予測」として紹介した文章の1つ目が、この稲垣栄洋さんの「はずれ者が進化をつくる」でした。
それはさておき、文章の内容をまとめると、
- 「雑草」はバラバラな時期に芽が出るから育てにくい
- まぁでも、それが個性だよね
- そのバラバラなのを「遺伝的多様性」というらしい
- バラバラな性質があるから、どんな環境でも生き残れる
- バラバラな性質には、優劣はない
- 個性には、必ず意味がある
こんな感じでしょうか。
あとは、このTHE★雑草❕な話をいかに「人間社会」に話をスライドしつつ作文にしていけるか…が腕の見せ所になるでしょう。
こういった超具体的な自然をテーマにした文章は、筆者はホントに雑草の話だけをしたいのではなくて、そこから「人間関係・学校生活…etc」という人間の活動の暗喩として、もしくは、人間の活動についてのメッセージに至るまでの踏み台として雑草の話をしているだけなのですが、
読解の訓練が不足していると、「え?筆者は雑草の話しかしていないのに、これを使ってどうやって作文にすればいいの???」と混乱してしまう子をよく見かけます。
適性検査で使われる文章は特に比喩のオンパレードであることが多いので、比喩という卵の殻に包まれた大事なエッセンスである主旨を見極めるには(←これも比喩)、時間を掛けて読解の特訓をしておいた方がよいでしょう。
立川のカギ!小問について
比較的読みやすい文章&書きやすい作文を出す立川国際は、一見すると、「あれ、適性検査Ⅰはこのくらいのレベルなんだ~そこまで難易度高く無さそうかも!」と思われがちです。
ところが、立川の難しさは、その小問にあります。
都立共同の適Ⅰの小問だと、文章中の言葉を8割くらいほぼほぼ抜き出しで使って、2割くらいはちょこちょこっと文末やつなぎ言葉だけ肉付けしてあげれば正解になります。
また、学校の国語のテストも、大体の答えは文章中の一か所しか使わず、しかもほぼ抜き出しで答えが作れますよね。
そのつもりで挑むと、立川の小問は確実に固まります。
まず、全体を見渡しても、「ここだ!」という答えがパッと見、見当たらない。
仕方がないから、設問(ぼう線部)の内容を自分の語彙力の中で言い換えていき、似たような表現を探すしかありません。これは、慣れていないとなかなか出来ることではありません。(まず、文章を俯瞰する、というのが子供達には結構難しいです)
そうやって言い換え表現を探し、かつ、その中から比喩表現や筆者独特な口語表現を取り除いていき、読解の解答としてふさわしい形に繋いでいきます。
この時点で、高校生レベルの技術が必要だと私は思います。
また、立川の厳しいところは、その問い方にも表れています。
今回の小問1だと「どういうこと」と聞かれています。
「雑草がわたしたちの思うようにいかない、とはどういうこと?」という質問です。
これは、苦手な子だと、「いや…どういうことって…そのまんまの意味ですけど…」と、何を答えればいいのか、聞かれていることが何なのか、まずはそこから固まってしまうはずです。
このように、聞き方一つで受検生の国語レベルをスパッと見分けることが出来る、非常に厳しい、良問が立川国際の傾向と言えるでしょう。
立川国際の作文対策
小問がかなり頭を使うだけに、作文についてはそれほど難易度は高くありません。
難易度は高くないけれども、字数が多いこと、そして前半に小問でヘトヘトになってからの500字パンチですから、やはり元々の国語力(というか国語の体力)が高くないと、立川の適Ⅰは厳しいと感じます。
これまでの合格者を見ていても、男女問わず文系が強い、そして内申が高いのが立川かなと。
作文に話を戻しますが、立川は第一~三段落までキッチリ内容の縛りが決められていますので、まずその条件を守るのは大前提です。
これが当たり前のようで、意外と子供達は「書きたいこと・書きやすいこと」を書いてしまうので、条件を都合よく解釈することもあり、大人が思っている以上に内容の縛りから逸れやすいです。
また、字数が長い分、書いているうちに筆がノッてしまって、条件から徐々に離れていく…ということもあるので、一段落書いたら二段落目の条件を再確認、二段落目を書いたら逸れていないか確認、そして三段落目の条件を再確認してからラストへ、という風に、冷静に冷静に、条件を確認しながら自分の作文を指示に沿わせ続ける意識が必要です。
「多様性・個性に優劣はなし!」というテーマについては2020年の都立共同作成の主旨と同じですから、その演習をしていれば、書けるネタには困らなかったかと思います。
じゃんじゃん書いて、ネタの引き出しを増やし続けておきましょう。
以上!今回は立川国際中の2021年適性検査Ⅰについて分析しました。次の記事では南多摩か武蔵か桜修館か神奈川か、そのあたりから選んでみます。